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夏終

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学校帰り。
まだ河原には夏の匂いが残っていて、高々と背を伸ばす草たちが風に乗って葉音を立てていた。

「由之」

河原を見ていたら、隣にいる大和に呼ばれた。
俺よりも少し目線が高いので、少しだけ顔を上げる。
不意に視界が翳り、大和の顔がぼやけた。
近すぎて見えないなんて思っているうちに、重なった唇に驚いて、思わず大和の胸を押した。

「お、まっ!?こんなところで!」
「だってお前、川ばっか見てんだもん」
「だからって、外だぞ!?」
「外だよ。いいじゃん、別に悪いことしてるわけでもねえんだし」

悪びれた様子もなく言うから、それ以上怒れなくなってしまった。
前を向いた大和の顔は、夕方の日差しのせいか少し赤らんでいる。同時にどこか満足そうで、俺はきっと真っ赤になっているであろう自分の頬を何度も擦った。
熱い頬を風が撫ぜる。
この河原を一緒に歩けるのも、あとどれくらいだろう。
卒業はまだ先と思いつつ、もう半年ほどしかない。
来年には別々の環境になる。
こんな戯れもきっとここまでのはずなのに、この先も一緒にいられるかもなんて、期待してしまうんだ。
片手に、骨ばった手が重なる。
伝わる熱が巡り巡って、擦った頬がまた熱を増す。
大和の顔は見れない。
だって終わりに向かっていく恋と向き合いたくないから。
その代わり、俺は握られた手をそっと握り返した。

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