頭文字D

街灯とテールランプ

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深夜の国道では、街灯の白とテールランプの赤だけで距離が測れる。青年は前の車を追うでもなく離れるでもなく、一定の間隔でその二色を見ていた。会話のない夜に必要なのは、速度よりもむしろ、その距離を保つ理由の方だった。

交差点をいくつか越えるたび、赤い光は少しだけ滲み、街灯は逆に輪郭を取り戻す。ガラス越しの景色はいつも曖昧なのに、自分の考えだけが妙にはっきりしてしまう夜がある。

やがて前の車が曲がって消えると、道路には街灯だけが残る。青年はそこで初めて、自分が何を追っていたのかを考える。

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